君の瞳
じんじんと、うずく空の眼球に政宗は夢から引き戻された。
疲れが溜まっているせいか、時折眼球が強くうずくのだ。
チッ、と軽く舌打ちをして、右目を押さえた。
隣に寝ている兼続を気づかっての事であった。
だが兼続はそんな政宗の変化を察知してか、起き上がって政宗を覗きこんだ。
「・・・うずくのか?」
優しさの溢れた声は心地良かった。
「大事無い。直ぐに収まる・・・」
そうかと言うと兼続は政宗の、見えている方の目をじっと見た。
「・・・なんじゃ」
怪訝に思った政宗が尋ねると、どこか寂しそうに、笑った。
「・・・勿体無いと思っただけだ。こんなに、美しい瞳なのに」
そう言って、兼続の細い指が政宗ね目元をなぞる。
「珍しい事を言う奴じゃ」
そう言って笑うと、少しだけ楽になった気がした。