そういえば、情事の時以外はキスもろくにしなかったなぁ、と今更ながらに思った
お互いあまりに夢中で、柔らかくてとにかく甘かったことしか覚えていない
ふと、相手は腰についていた小さめな鈴を口に含んで、其の侭千切り取った
カチカチと、歯があたる音がする
何かと思えば、それを丁寧に愛撫するように舌で舐め始めた
赤く色づいた舌と、鈴の色が対照的で、目が離せない
目が合えば、何かたくらんでいるかのように口の端を上げて笑った
ちりん、と鈴の音が鳴る
誘う、ように
ここまで髪くるくるでないと思う
テンパといえども(いやテンパでなくクセ毛ですよ