死の味のキス


























ぐぐぐ、と強く肩で押さえ付けられるようにして壁に押し付けられる。

体重をかけられ、まして敏感な部分を愛撫されれば逃げることなど不可能だ。

お互いにはだけた肌が触れ合い、体温が直に伝わる。

「は、ぁ・・・あ、ぁん・・・ッ」

体を這う指から逃れようとするのだが、どうにも上手く動かない。

肩やら首を強く吸われ、跡が幾重にも重なる。

かと思えば舌先で舐め上げられ、顎先を辿り耳へとたどり着く。

「んっ、は、ゃ・・・っふ・・・ひぁっ、ぐ」

耳を噛まれ、息が降りかかる感覚に嫌だ、と体をよじって肩を押し返せば、五月蝿いといわんばかりに膝で自身を擦り上げられる。

耐えられない、と相手の肩に顔を埋め必死に声を押さえようとするのだが、政宗はそんなの様子を見てさぞ楽し気に笑みを浮かべた。

そんな様子が更に腹立たしかった。

ただでさえ、自分は半分犯される形で抱かれているのに。

少しでも抵抗してやりたくて、首筋に思いきり噛みついた。

口いっぱいに広がる、鉄の味。

一筋の赤が、首から鎖骨へ流れ、落ちていった。

その血を自らの指で確かめるように触ると、今度は指を兼続の唇へと運ぶ。

紅でも塗ったように赤く染まる唇を指でなぞる。

「よい度胸じゃ」

冷たい笑みを浮かべたかと思えば、慣らされてもいない蕾へ、肉棒が強引に入れられた。

「あ、あぁあ―・・・いッふ、はっ・・・く・・・っん」

強烈な痛みに耐えかねた体が酸素を求めるのだが、それすら許してはくれない。

赤い唇をぺろりと舐めると、開いた口内に舌が侵入する。

乱暴に掻き回されて、絡めとられて、吸われて。

苦しさで意識が遠のくのだが、下肢から広がる痛みがそれを許してくれない。

「思い知れ、兼続」

そんな言葉を低く呟くと、遠慮も無しに激しく腰を動かした。

腸が引き裂かれる様な痛みに涙が出る。

それを舐められ、再び接吻を受けると、鉄の味と、涙の味が妙に混ざり合って、変な感覚を覚える。






―まるで、幾度となく経験したような―死の、味。












だがそんな感覚も痛みと快楽に拐われて




結局はされるがままに高みへと誘われていった。











<死の味のキス>