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「愛してください、愛をください」/キス、キス、キス/僕の声/遊月夜/白無/どうか、朝まで覚めぬ夢を見て/
秋風/この 「 しあわせ 」/
政宗が夜中に数度、目を覚ますのを知ったのはいつだったか、と兼続は思った。
最初は、目を覚ます度にすり寄ってくるのが可愛らしいと思ったのだ。
だが、それがほぼ毎日、それも夜中の間に何度もだということに兼続は気がついた。
愛しい愛しい私の子
お前の闇は、そんなにも深い・・・
どうか、朝まで覚めぬ夢を見て
「・・・兼続?」
下になった男が、眉を寄せて兼続を読んだ。
ふと視線を落とすと、政宗と目線がかち合う。
柔らかな布団の上に押し倒されたものの、何もしない相手を政宗が怪訝に思ったようだった。
「何を考え込んでおる・・・」
す、と政宗の右腕が兼続の首に巻きついた。
「別に、ただお前をどう可愛がろうか考えていただけだ。」
ふ、と微笑んでそう言えば、かぁ、と政宗の顔が耳まで赤くなる。
「っ、馬鹿めが・・・」
恥ずかしそうに伏せた瞳に口付けたあとで、兼続はその唇を貪った。
「ん、ふぅ・・・」
きゅ、と政宗の瞳が閉じる。
歯列を優しくなぞって、舌を突いて。
上顎を丁寧に愛撫すれば、気持ち良さそうな声が合わせた唇から漏れた。
きゅう、と兼続の着物を握る政宗の手に力が入った。
「んぅ、・・・んん」
兼続の左手が、政宗の右の太股を撫でる。
敏感になった肌が総毛立ち、無意識に体を逃がそうとしていた。
それを兼続が、足を絡ませ、手を付いて捕える。
「んぁ、・・・ふ」
口内を余さず舐められる感覚に政宗の喉が震えた。
体に力が入っては、あやすような口付けに筋肉が緩んだ。
ちゅ、と音を立てて唇を離すと、紅く染まった唇が震えた。
髪を手で払い、溢れた涎を拭うと、その指は政宗の首を這い、迷うことなく胸へとたどり着いた。
「んっ!」
まるで愛撫を待ちわびるかのように勃ったそこをくにくにと指で挟む。
「ひぁっ・・・ぅあ、あっっ」
擦られて、爪を立てれば政宗の喉がのけぞった。
もう片方を悪戯に舌先で突いて、ざらりとした舌全体で舐める。
「あっ・・・、ぁ」
繰り返し愛撫を受ける粒は真っ赤に染まり、兼続は指で潰しては起つそこを執拗に攻めた。
「やっ・・・そこ、ばかり・・・うんッ」
政宗の足がもぞもぞと動いていた。
その様子に兼続はふ、と笑みを漏らして政宗の男根に触れると、触ってもいなかったそこは立派に起立し、既に濡れていた。
下帯は取り払っていたから、兼続の指は直に政宗に触れる。
「触れてもいないのにこのようになるとは・・・」
「っ・・・」
そう言われた政宗が、恥ずかしさに瞳を伏せた。
瞳から頬にかけてが真っ赤に染まり、熱をおびている。
「・・・どこまでも貪欲なものだ」
言うと同時に、兼続は先端の割れ目を指の腹で擦り、尿道口に爪を立てて優しくえぐった。
「ひっ―・・・や、あぁぁあっっ!!!」
いきなりの大きな刺激に、政宗が思わず吐精してしまう。
「早すぎるのではないか?」
笑いを含みつつ、兼続は政宗の放った体液をつつ、と指先でなぞった。
はぁ、はぁと肩で息をしながらもぴく、と僅かな刺激に震える体が愛おしい。
とろりとした液体を指に塗り付けて、兼続は後孔を撫でた。
ぞわ、と波立つ体に、政宗は困惑する。
しかし、先を知る体は、兼続を早く向かえようと轟いた。
「待っ、・・・あぁっ、き、さまっ、んん!」
達したばかりの敏感な体に、内側への刺激は大きい。
指が壁を擦り、爪でひっかく度に政宗の喉がひきつるように痙攣した。
2本の指で見つけた前立線を挟んで、擦れば、吐精して萎えた筈の政宗の雄芯は可愛らしく形を変えて蜜を濡らした。
「やっ、あっ・・・ソコ、ゃ、めっ、ぁうっ」
びくびくと震え、怯える政宗に、兼続は容赦なく快楽を与える。
熱いそこは兼続の指を逃しさまいと何度も締め付けた。
早くそこに己の熱を打ち入れたいという本能を抑えて、ゆっくりとそこを解かしていく。
「ぁっ、やあぁ・・・んんっ」
執拗なまでの内側の愛撫に、政宗は何度も訪れる快楽の波に耐えた。
強く握り締められた手は必死に布団を掴んでいた。
ぐるり、とひとなでした兼続の指が抜けると、そこはその上のモノを欲してひくついた。
それでも兼続が先端をあてがうと、政宗はびくりと脅える。
最初が最初であっただけに、体が未だに痛みを離れないのだ。
緊張で固くなるそこに、兼続は雄を押し当てていく。
「政宗・・・力を抜け」
瞳に不安を浮かべる政宗に、兼続が優しく告げる。
優しく髪に触れた手に、少しばかり体の力が抜けた。
その一瞬を見逃さずに、兼続は一気に腰を沈めた。
「まっ、ぁ、あぅんっっ!!!」
全てを飲み込んだ衝撃に、政宗が再び射精した。
だが精を放つ間も兼続は腰をしなやかに動かして政宗を刺激する。
射精の間も続く快楽に、頭がおかしくなりそうだった。
「やあぁ、ま、てっ!ああっ!」
そのおかげか、吐精を終えても政宗のモノは殆ど形を維持していた。
短時間に2度も絶頂を迎えたせいで体がだるいのに、兼続は休ませてくれる気配すら無い。
「ぁ、あ・・・か、ねつぐっ・・・」
容赦の無い激しい攻めに、政宗の全身から力が抜け、すがるように兼続に抱きついた。
「政宗、もっと・・・」
もっと、私を感じてくれ
他の何も考えられないくらい
お前の闇を消すくらい
私、だけを
呟きは口付けとなった。
舌を差し入れると、おずおずと、たどたどしい動きで舌が絡められる。
間近で見る隻眼は、固く閉じて尚睫を濡らしていた。
「ふぅ、んっ、んんっ」
足を胸に付くほど上げられ、いっそう結合が深くなる。
ぐちゃぐちゃと掻き回される感覚に意識が飛びそうだったが、まだ兼続を感じていたいと、必死に快楽にしがみついた。
擦られて締め付けをひどくしてしまえばしまうほど、出し入れは激しくなった。
「はぁ、は・・・っ、政宗・・・」
離した兼続の唇は赤く、溜め息に似た吐息を吐き出しては耐えるように一文字に結ばれる。
政宗、と何度も囁いては絶頂を促すようにナカを突いた。
「ひぅっ、ゃ、らぁっあ、あぁっ」
ぎゅう、と強く抱きついて政宗が果てた。
「っ、く・・・はっ」
小刻に強く締め付けられて、兼続も政宗の中に吐精する。
呼吸を整えつつ力を抜くと、政宗はくたりと布団へと落ちた。
見れば、三度の絶頂に耐えられなかったのか、気絶するように眠ってしまったらしい。
すぅすぅと何度も軽い寝息を立てていた。
半端に空いた口元が可愛らしい。
兼続は政宗の隣に座ると、肩に回されていた手をそっと優しく握った。